日曜の朝


今日は日曜日。仕事は休みで、友達や彼女と会う約束もしていないので、ゆっくり昼頃まで寝てやろうと決め込んだのに、 目覚ましのアラームを切り忘れたものだから、会社に行くために起きる時間に「ピピピッ、ピピピッ」という無情のアラーム音でたたき起こされてしまった。
もちろん、二度寝する手もあるが、窓のカーテンの隙間から洩れてくる朝の日差しに誘われて、半分、しぶしぶだけど、起きることにした。

カーテンをシャーッと開け、立て付けの悪い窓をググッと開けると心地よい風が緩やかに僕の顔にあたった。気持ちいい…、ただ素直にそう思えた。
目覚ましで起こされて、気分は悪いはずなのに、何故か今は気分がいい…。
これはもしかすると、朝の明るい陽の光と優しい風が僕の気分を変えてくれたのかも知れない。
そして、その陽の光と風に出会えたのは、目覚まし時計が無情のアラーム音を僕の耳元で鳴り響かせたから…。
そう思うと、何か得をしたような気になって、俄然、気分は良くなった。

お気に入りのCDをセットして、コンロでお湯をわかす。僕は珈琲が飲めないので、もっぱら朝のお茶はティーバックの紅茶と決めている。
音楽に耳を傾けながら、甘めの紅茶を口に含む。心がスゥーと落ち着いていく。
朝の早起きは三文の得というが、こんな些細な事でも、自分にとってメリットがあれば、
これも三文の得と言えるのかなとたわいも無いことを思いながら、背伸びをした。さて、今日は何をしようか…。




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