想像しただけで最近、妙に食べたくなる食材がある。 それは“鰻(うなぎ)” 蒲焼き、鰻丼、鰻重…、想像しただけで…、あ〜、たまらん…。 でも、僕は特に鰻が好物なわけではない。 もともと安い食べ物ではないが、ただ、最近の鰻の高騰で、特に高級な食べ物になってしまって、食べたいと思ってもなかなか手が出しにくくなってしまった。 その反動で甘辛いタレがついた焼きたての柔らかい鰻が無性に食べたくなってしまうのだ。 ウナギは淡水魚か海水魚かと聞かれれば、多くの人はウナギは淡水魚だと答えるだろう。 実は正確には淡水魚でも海水魚でもない。分類するとしたら一生のうちに海と川を行き来する「通し回遊魚」というグループに入るそうだ。 日本人にとってウナギは非常に身近な魚だが、ウナギについてはあまり知られておらず、その生態は謎に包まれている。 ニホンウナギの産卵地が太平洋のマリアナ諸島西方海域であると判明したのも、最近のことで、生まれてすぐのウナギはプランクトンの死骸を食べて育つことも、最近になってわかったことだ。 こんな謎の多いウナギだが、日本では古くから食文化に深い関わりを持った魚で、奈良時代の「万葉集」にもその記述がある。 高タンパクで消化もよく、夏バテ防止に効果があるとされることから、夏の暑い土用の丑の日に鰻を食べる習慣が定着した。 日本人は世界の鰻の7割を食べるそうだ。日本人とは如何に鰻が好きな民族かと驚くばかりだが、かく言う僕も、鰻丼を500円、いわゆるワンコインで食べれるお店があってよく食べたものだ。 その安さからするとその鰻は中国産の養殖だと思うが、一杯の肝吸いと食べるその鰻丼は少し、幸せな気分にさせてくれた。 高級な食べ物になりつつあるウナギだが、いつまでも庶民の舌を楽しまして欲しい思う。 こんなことを書いていると、また鰻を食べたくなった。 想像しただけで…、あ〜、たまらん…。 |