腹ぺこの方がいい!?


“腹が減っては戦ができぬ”とはよく言うがお腹が減っている方が“記憶力”が上がるという。

小学生の頃、理科の観察でよくお世話になった赤い眼の“ショウジョウバエ”を使った実験で、お腹を空かしたショウジョウバエの体内の糖濃度、人間で言えば、血糖値に当たるが、その糖濃度が下がると、インスリンの分泌も下がる結果が出た。と、同時に、記憶中枢の神経細胞に含まれている記憶に関わるタンパク質が活性化していることも判明した。
人にもこのタンパク質が存在し、もしかすると似たような働きがある可能性があるかもしれない。

更にもうひとつ。
米国のエリート名門校であるマサチューセッツ工科大学(MIT)の生物学部の教授が、1999年に老化防止機能を持つ“サーチュイン遺伝子”という遺伝子を単細胞の酵母から発見した。
この遺伝子は線虫やショウジョウバエから人間にまで様々な生物が持っている遺伝子で、この遺伝子を活性化させると、寿命がショウジョウバエが30%、線虫は50%も伸びるということがわかったそうだ。つまり、同じ働きをする遺伝子を持った人間も、この遺伝子を活性化させることにより、寿命が延びるかもしれないというわけだ。
寿命が延びることが、ありがたいかどうかはわからないが、この“サーチュイン遺伝子”は空腹を我慢することによって活性化することが、その後の研究で判明している。
“サーチュイン遺伝子”がミトコンドリアやタンパク質の凝縮した老廃物を細胞内から排除する命令を出して、細胞を若々しく蘇らせるらしい。

記憶力をアップさせたり、細胞を活性化させるには、「腹ぺこ」を我慢するのが良いということ。お腹がいっぱいになると幸福感が増して、眠くなったりするが、それは、頭の巡りが悪くなって、体が怠けてしまうから。

“武士は食わねど高楊枝”。これはやせ我慢の例えで使われる諺だが、たまには本当に空腹にするのもいいかもしれない。
“腹八分目に医者いらず”。こんな諺も昔からあるぐらいだから。




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